受付時間
9:30~13:00、15:00~19:00
(水曜・土曜は14:00~18:00、日曜は14:00~19:00)※木・祝は休診日
むし歯が歯そのものの疾患であるのに対し、歯周病は歯のまわりの組織(歯根膜、歯ぐき、歯槽骨など)の疾患です。
最初は歯肉に軽度の出血や腫れがはじまり徐々に進行し、歯が少しずつグラグラしはじめ最終的には抜け落ちてしまう恐い病気です。歯周病は歯の表面につくプラーク(歯垢)によって起こります。
歯肉の炎症による出血、腫れを特徴とする歯肉炎と、歯を支えている歯槽骨が破壊される歯周炎のふたつに分けられます。世間一般で言われている歯槽膿漏は、成人性歯周炎をいいますが歯周病には、その症状、病態によっていろいろな種類があります。
歯周病の予防や、歯周病と全身疾患の関係については、日本臨床歯周病学会のWEBサイトに詳しく記載されています。
歯周ポケットの深さ、歯の揺れ、レントゲン、口腔内写真など歯周病の状態を検査します。
歯周病は歯科医院で処置するだけでは治りません。歯周病の原因は歯に付着した歯垢(細菌)です。
その他にもリスクファクターはありますが、先ずは正しいブラッシングが歯周病の改善の第一歩です。
磨き残しが無いように歯科衛生士が正しいブラッシングを説明していきます。
歯磨きだけでは取れなくなってしまった汚れ、歯石を除去します。
先ず歯肉縁上スケーリング(歯肉より上に見える歯垢・歯石の除去)を専用の機械、器具を使い落としていきます。
歯周病の治りを検査します。
歯肉より下に歯石が入り込んでしまっている場合
治癒
歯肉縁下歯石(歯肉より下に入り込んでしまった歯石)の除去。
それによって塑造になってしまった歯の根の表面を器具を使いツルツルに仕上げ再度歯石がつきにくくします。
歯周ポケットが深く痛みを感じる場合は部分的に麻酔します。
歯周組織の破壊が著しい場合
歯肉より下に歯石が入り込んでしまっている場合
治癒
歯周病の進行が重度で、歯周組織の破壊が著しい場合外科的な処置を行い改善を促す場合があります。
治療が完了してもそれで終わりではありません。
歯周病の再発を防ぐためあなたにあったメインテナンスを行っていきます。
比較的軽い歯周病であれば、歯や歯の周りを清潔に保つ治療を続けることで治すことが出来ます。しかし、炎症が歯肉の奥まで進行し、歯周組織の破壊がひどい場合には、歯周組織を回復させるための手術(歯周外科手術)が必要となります。この手術の際に、歯周組織再生材料という手術治療を補助するための、歯科用の材料が使われることがあります。
エムドゲインゲルは、スウェーデンのビオラ社で開発された新しいブタ歯胚組織使用歯周組織再生用材料です。エムドゲインゲルの主成分(エナメルマトリックスデリバティブ)は、子供の頃、歯が生えてくる時に重要な働きをするたん白質の一種です。現在の科学水準に基づく高い安全性確保の下、幼若ブタの歯胚から抽出精製したもので、2009年3月現在、世界44カ国で使用されています。
機能的な歯周組織を取り戻すまでには、数ヶ月から1年程度かかります。歯周組織が再生する期間、および程度は個人差があり、歯周病の進行具合によっても異なります。術後のスケジュールの詳細も患者様によって異なりますので、担当医の指示に従い、必ず定期的な検査を受けるようにして下さい。治療が終了した後も、口の中の衛生状態を担当医に定期的に検査してもらうことをおすすめします。
歯周病を再発させないためには、歯や歯の周りをいつも清潔に保つことが大切です。
担当医と相談しながら、いつまでも自分の歯を大切にして下さい。
歯周治療の最終目的は病気の進行を止め、元の健全な状態に組織を回復させることです。1980年代初頭に、歯を救う新しい治療方法の研究がスタートしました。その結果、歯周病のまったく新しい治療方法として、歯の周りに必要な組織を再生させて、歯の支持構造をできるかぎり元の状態に戻すという再生法(GTR法)が確立され、1990年代になってから世界中で広く応用されるようになりました。
再生による治療法の目的は、歯が機能するための支持構造を回復させることです。このため歯肉の位置も維持することができます。
歯周病で破壊された歯の支持組織(線維組織や骨)は、その原因を除去すれば再生しようとします。しかし、患部を清掃した後に何もせずそのまま治癒を待つと、必要な支持組織が再生する前に別の軟組織がそこに入り込み、うまく行きません。そこで、ポケットの内部を清掃した後に、メンブレンを設置し、外からの不要な組織が侵入しないように防御します。そうするとメンブレンの下には歯の支持組織が再生を始めゆっくりと成長してきます。
歯科用メンブレンはGTR法に使用することを目的に設計された医療機器です。
各種安全試験、臨床試験などで安全性や治療効果が認められており、厚生労働省に認可を得ています。
歯科用メンブレンはもっとも生体適合性が高く、安全な素材の1つでできています。他にも人工血管、人工硬膜人工心膜、縫合糸など多くの医療機器として長年使用され、その使用数は400万例を越えています。
メンブレンを使用したGTR法により、組織を再生する事が出来ます。このことは、世界中の多くの研究発表によって示されており、治療上の大きな進歩として広く歯科専門家に認められています。しかし、どのような病気でもそうですが、あまりにも重度に進行したケースではこのGTRでの治療が困難な場合もあります。